書籍紹介 執筆者:blogle編集部

【マインドセット「やればできる!」の研究】才能は、生まれつき決まっているのか?

【マインドセット「やればできる!」の研究】才能は、生まれつき決まっているのか?

「心理学」「脳科学」関連の書籍を読んで、blogle編集部が感じたことをお伝えしていくコーナーです。

今回は「才能は生まれつき決まっているのか?」というテーマでお話したいと思います。

このテーマは【『マインドセット「やればできる!」の研究』著者:キャロル・S・ドゥエック】に書かれている内容からインスピレーションを受けました。

マインドセット「やればできる!」の研究 書籍表紙

今回お伝えしたい結論を先に言ってしまうと

「才能は、生まれつきの固定されたものだけで決まるわけではない」

「能力は伸ばせると信じる心の持ち方が、その後の成長を大きく変えていく」

ということです。

私たちは、うまくいかなかった時「自分には才能がない」「もともと向いていない」と考えてしまいがちです。

しかし本書を読んでいると、能力とは生まれつき決まりきったものではなく、これからの努力や学びによって伸ばしていけるものなのかもしれないと感じます。

二つの「マインドセット」という考え方

本書では、私たちの心の持ち方が大きく二つに分けて語られています。

ひとつは「硬直マインドセット」と呼ばれる考え方です。

これは、能力は生まれつき決まっていて、そう簡単には変わらない、という信じ方だと語られています。

もうひとつは「しなやかマインドセット」と呼ばれる考え方です。

こちらは、能力は努力や学び、経験によって伸ばしていける、という信じ方だとされています。

同じ出来事に出会っても、どちらの心の持ち方でいるかによって、その受け取り方は少しずつ変わっていくのかもしれません。

なぜ、同じ挑戦でも伸びる人と諦める人に分かれるのか

本書では、この二つのマインドセットが、挑戦や失敗への向き合い方に影響すると語られています。

能力は固定されていると考える人は、評価されることを恐れ、失敗しそうな場面をつい避けてしまいやすいのだそうです。

できない自分を見せることが、そのまま「才能のなさ」を証明してしまうように感じるからかもしれません。

一方で、能力は伸ばせると考える人は、挑戦を学びの機会として捉えやすいと語られています。

うまくいかなかったとしても、それは失敗というより、次に進むための手がかりになると考えられるのです。

そう考えると、伸びる人と諦める人を分けているのは、もともとの才能の差だけではないのかもしれません。

難しさを前にした時、それを脅威と見るか、成長のきっかけと見るか。その受け止め方の違いが、少しずつ道を分けていくのだと思います。

「頑張ったね」という言葉が持つ力

本書の中で、私が特に心に残ったのは、子どもへの褒め方についての話です。

「頭がいいね」と能力そのものを褒められた子どもは、その後、難しい課題を避けるようになりやすいと語られています。

失敗すると「頭がいい」という評価を失ってしまうように感じ、挑戦をためらってしまうのかもしれません。

反対に「よく頑張ったね」と努力やその過程を褒められた子どもは、難しい課題にも進んで取り組むようになりやすいのだそうです。

頑張ること自体が価値だと感じられれば、たとえうまくいかなくても、挑戦そのものを恐れなくなるのだと思います。

これは子どもだけの話ではなく、大人の私たちにも通じることかもしれません。

結果だけでなく、そこに向けた努力や過程に目を向けること。その視点が、自分にも周りの人にも、挑戦する勇気を渡していくのだと思います。

「まだ」という言葉が、道の途中を照らす

本書の中で語られる考え方の中に「まだ」という言葉の力があります。

「できない」と言い切ってしまうと、そこで道が終わってしまうように感じます。

けれど「まだできない」と捉え直すと、それは終わりではなく、成長の途中なのだと思えてきます。

たった一言の違いですが、自分をどこに立たせるかが、少し変わってくるのかもしれません。

そして本書では、マインドセットは生まれつき固定されたものではなく、学びによって切り替えていけるものだと語られています。

今どちらの心の持ち方でいたとしても、これから育てていくことができる。そう考えると、少し肩の力が抜ける気がします。

『マインドセット「やればできる!」の研究』は、私たちに「才能がないから」と諦めるのではなく「まだ伸びる途中なのだ」と捉え直す視点を与えてくれる一冊です。

何かに行き詰まった時、まず必要なのは、才能をあきらめる理由を探すことではないのかもしれません。

「まだできない」と、そっと言い直してみること。

その小さな言い換えが、明日の自分の可能性を、静かに広げていくのだと思います。

ここまでは本の話ですが、この「能力は伸ばせる」というしなやかマインドセットの視点は、企業のマーケティングやコミュニケーションにも通じるように思います。少しだけ、仕事の話にひきつけて考えてみます。

blogle視点
明日から使える、マーケティングのヒント
本から得た「しなやかマインドセット」の視点を、企業のコミュニケーション課題にどう活かすか。ここからは、ブログルらしく仕事の話にひきつけて考えます。

コピーは「あなたには無理」ではなく「まだ、これから」で書く

しなやかマインドセットの核心は、「いまできないこと」を能力の限界ではなく道の途中として捉えるところにありました。これはそのまま、お客さまへ届ける言葉の設計にも効いてくるのだと思います。ダイエット、語学、資格、スキル習得——こうした「頑張りたいけれど、つまずきやすい」商材ほど、お客さまは心のどこかで「自分にはどうせ無理かも」という硬直した声を抱えています。

だからこそ、訴求やコピーが「これができないあなたはダメ」という不安を煽る方向にいくと、その内なる声を強めてしまうかもしれません。逆に、本のキーワードだった「まだ(yet)」——「まだ、できていないだけ」「ここから、伸ばせる」というトーンは、お客さまの中の成長できるという信念にそっと寄り添います。たとえばオンライン英会話なら、「話せないあなたへ」ではなく「話せるようになる途中のあなたへ」。同じ事実を、道の途中として照らす言葉に変えるだけで、受け取る温度は変わるように思います。

コピーは、できない現在を責める言葉ではなく、伸びていく未来を指し示す言葉であるほど、人の一歩を後押しするのかもしれません。

継続してもらう場面では「結果」ではなく「過程」をたたえる

本の中で印象的だったのが、「頭がいいね」(能力をほめる)より「頑張ったね」(過程をほめる)ほうが、その後の挑戦を促すという話でした。この違いは、一度お客さまになっていただいた後の関わり方——CRMやカスタマーサクセスと呼ばれる、続けてもらうためのコミュニケーションにこそ活きるように感じます。

継続課金のサービスや学習系の商材では、多くの場合「達成した人」に向けたお祝いメッセージは用意されています。けれど本当に離れやすいのは、成果がまだ出ていない、途中でくじけかけている時期の方かもしれません。そこで届けたいのは、結果ではなく過程をたたえる一言です。たとえば学習アプリなら、「目標達成おめでとう」だけでなく、「3日続けられましたね。その一歩が力になっています」と、努力そのものに光を当てる。行動心理学でも、人は自分が始めた小さな行動と一貫した振る舞いを取りやすい(コミットメントと一貫性)と言われますが、その最初の一歩を承認してあげることが、次の一歩につながっていくのだと思います。

こうした視点は「うまく売る技術」というより、お客さまの成長を信じて言葉を選ぶという姿勢に近いのかもしれません。私たちblogleが大切にしている「勇気づけ」——関わる人が、自分ならできると思えるように背中をそっと押すこと。それは本の中のしなやかマインドセットと、どこかで同じ方向を向いているように思うのです。

売るための言葉である前に、相手の「まだ、これから」を信じる言葉であること。それが、長くお付き合いいただける関係の土台になるのかもしれません。

お悩みやご相談はありませんか?

マーケティング・経営に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

ご相談は無料です。しつこい営業は行いません。

share

  • Facebookでシェア
  • Xでシェア
  • LINEでシェア