【Case6:丁寧な暮らし調査結果の場合】マケシリ〜マーケティング事例に隠された心理効果を知ろう〜

マケシリでは、最近ちょっと気になったマーケティング事例を独断と偏見でピックアップ!
弊社顧問で心理学博士の関屋 裕希さんになぜ気になっちゃうのかを心理学の観点から紐解いていただきます。

第6回目は、UCCが行った「丁寧な暮らしに関する調査」を深掘り!

みなさんはInstagramやtiktokなどのSNSは利用されていますか?

多くの方が何かしらのアカウントを持っていて、そこで情報を取得していることかと思います。そんな、切っても切りはせないSNSと皆さんの生活との関係の変化について、UCCが行った気になる調査を発見しました。

今回はその気になる調査結果について、関屋さんとお話をしていきます。

関屋 裕希 Yuki Sekiya
1985年1月31日生まれ/福岡県福岡市出身
せきや・ゆき/臨床心理士。公認心理師。博士(心理学)。東京大学大学院医学系研究科 デジタルメンタルヘルス講座 特任研究員。専門は職場のメンタルヘルス。業種や企業規模を問わず、メンタルヘルス対策・制度の設計、組織開発・組織活性化ワークショップ、経営層、管理職、従業員、それぞれの層に向けたメンタルヘルスに関する講演を行う。近年は、心理学の知見を活かして理念浸透や組織変革のためのインナー・コミュニケーションデザインや制度設計にも携わる。著書に『感情の問題地図』(技術評論社)など。
ホームページ:https://www.sekiyayuki.com

本日はUCCの行った「丁寧な暮らしに関する調査」についてです!

一時期多く見られた「#丁寧な暮らし」に関して、一都三県の20~50代の男女にむけて調査を行ったところ、憧れはある一方で忙しい生活との両立は難しく、憧れと現実とのジレンマを抱える人々が実は多くいたという結果でした。
関屋さんは「#丁寧な暮らし」の投稿はご覧になったこと、ございますか?


ーわざわざ探したことはないですが、目にしたことはあります。
SNSはどうしても自分の良い部分を見せたくなってしまうものですが、自分をよく見せようと演じたり、SNS内の人間関係に対する疲れなど、どこかモヤモヤしたものが生まれがちですよね。


少し前まではいわゆる”丁寧な暮らし”や、おうちじゃとても食べられないような映える料理を出すお店で料理の写真を撮って載せるなど、ちょっとした”非日常”のようなものを載せて楽しむ傾向にあったように思いますが、今はSNSに投稿する内容にも少し変化が起きてきているのですかね?


ーそうですね、この調査結果からもうかがえるように、皆さんも、取り繕うこと、そして、取り繕った投稿を見ることに少し疲れてきているのかもしれませんね^^;


関屋さん自身がそういった変化を日頃感じることはありますか?


ー自撮り写真を投稿するときに、肌や目の大きさを変えられる加工アプリを使って、より可愛く見せるということが一般化しつつあったと思うのですが、最近は”#加工なし”とハッシュタグをつけていたり、純正のカメラで撮影した写真であることをアピールするような投稿が増えてきていると感じます。”#加工なし”の投稿のほうが見てもらえるかな?ということで注目を集めようとしている点においては、もしかしたら一緒かも知れませんが、背伸びをして良く見せる、ということではなく身の丈にあった方法で注目を集めるという方向にシフトしているのかも知れないですね。

コロナ禍での時間の使い方の変化は何か関係していますかね?


ーそうですね、この”丁寧な暮らし”に対する意識に関しては、関連があるかと思います。
一時期「ステーホーム」の日々が続き、そのことにまだ慣れないうちは家の中の何かを充実させることに注力する時間やモチベーションがありましたが、家で過ごすことが当たり前になり、今や外に出ることも制限がほとんどない状態なので、そんなにずっと丁寧に暮らしていられない!という方もいらっしゃると思います。


私はまさにそんな感じで、ちょっと料理に凝ってみた時期もありましたが、今は道具だけが大袈裟にキッチンに残っています、、


ー料理で思い出しましたが、大食い動画で有名なyoutuberさんの動画を見ていて、今までは丁寧に作った料理を食べる動画が人気を集めていましたが、最近は”ちょっと疲れたんで今日は手抜きの料理で!”と言って即席で作れるような料理を大量に作って食べる動画がアップされるようになりました。丁寧な料理も引き続き人気ではあると思いますが、「手を抜く日もある」自然体を見せるほうが、「そういう日もあるよね!」「◯◯さんにもこういう日があるんだ、ほっとした」のような共感を生んでいるのではと思いました。
(ただ、先ほども言ったように、視聴者数やPVを獲得するため、というからくりには変わりがないのかもしれませんが……)


そうですね、見ている側としては料理の手抜きもなんだかほっとしますし、いつも可愛くて素敵な女優さんがおうちですっぴんでゲームをしている姿とか、ほっとしますよね笑


ーですね笑 丁寧な暮らしブームを経たからこそ、リアルな暮らしを垣間見ることでほっとする、といった変化もあると思います。この調査でも、「無理は続かない」ことが示されていますが、誰かに見せるため、とか、周りの目を気にして、ではなく、「自分がやりたいから」、「自分のために」という自分視点で選んでいくことが、私たちの本当のしあわせにつながるのだと思います。


本当ですね、、!どうしても周りの目が付き纏い、気になってしまいますが、そもそもは好きで選んでやっていることであれば、無理せず自分のペースで何事も取り組むことが大事だと思いました。

関屋さん、本日もありがとうございました^^


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