ナレッジ・ノウハウ 著者:blogle編集部

GA4と問い合わせ数が合わないときの照合と成果の見方

GA4と問い合わせ数が合わないときの照合と成果の見方

月次報告の「問い合わせ数」を埋めようとしたら、GA4の数字と、営業が受け取った連絡の数が合わない。どちらを載せるかで迷ったとき、数字を一つに寄せる前に確かめたいことがあります。

画面上の送信イベント、実際に届いた連絡、仕事につながる相談は、それぞれ別の数です。期間・対象フォーム・数える単位をそろえて照合し、相談の中身は受付記録から確認します。食い違いだけを見て、タグの不具合とも、集客の失敗とも決められません。

この記事では、BtoB企業のマーケティング担当者が営業と月次の成果を確かめるために、月次報告に使える照合表の完成例を一つ載せます。GA4の設定手順ではなく、「どこまで分かり、何をまだ判断しないか」を報告できるようにするための記事です。

問い合わせ数が合わないとき、最初にそろえるもの

照合するのは、同じ期間、同じ問い合わせフォーム、同じ単位の数字です。ここが違うまま差を追うと、正常な違いを不具合として調べることになります。

たとえば、GA4はサイト全体のフォーム送信、営業の集計は新規相談フォームだけ、という組み合わせになっていないか。月末の受付を片方だけ翌月に含めていないか。集計期間に加え、タイムゾーンと抽出時点もメモします。まずは対象フォームを一つに絞る方が、確認相手も探しやすくなります。

次に、レポートの列名を確かめます。Googleの拡張計測の説明では、form_submitはフォーム送信時に記録されるイベントです。そのイベントの「イベント数」を見ているなら、数えているのは回数です。営業が確認した相談の件数を、そのまま表しているわけではありません。

一方、見込み顧客獲得レポートの公式定義では、「新規の見込み顧客」はgenerate_lead、「有望な見込み顧客」はqualify_leadを記録したユニークユーザー数です。イベントの発生回数とは単位が違います。似た名前の列でも、何を数えているかを読み直す必要があります。

また、これらの推奨イベントは、自動的には送信されません。名前を見つけただけで「相談の適合まで測れている」とは考えず、自社では何をきっかけに送っているかを計測担当者に尋ねます。

受付記録から、相談の中身を確かめる

仕事につながる相談を数えるには、受付した連絡の内容を営業と確認します。GA4のイベント名だけでは、依頼内容が自社の提供範囲に合うかまでは判断できません。

最初は、フォームや顧客管理システムの受付記録を起点にします。通知メールだけを数える場合には、通知漏れや振り分けも調べます。「メールが見当たらない」と「受け付けていない」は同じではありません。

テスト送信、相手からの売り込み、同じ相談の再送は、新しい仕事の相談とは分けます。ただし、件数を減らすための仕分けではありません。元の受付記録は残し、何を何通除外したかが後からたどれる状態にします。同じ会社から届いたという理由だけで、別の案件まで重複にしないようにします。

ここから先は、相談の「適合」を確かめる作業です。たとえば自社がマーケティング戦略の支援を提供しているなら、相談の内容がその支援範囲に合うか、具体的に解決したい課題があるかを確認します。業種や会社の大きさだけで線を引くのではなく、自社で引き受けられる仕事との対応を見る、という考え方です。

予算や時期がまだ分からない連絡もあります。それだけで不適合に入れると、営業が確認する前に見込みを消してしまいます。「適合を確認」「対象外と確認」「確認待ち」の三つを残す。月次の締め時点で判断が終わっていないことも、報告すべき事実です。

月次報告を一枚の照合表にする

以下は、集計の仕方を示す説明用の仮例です。ブログルや顧客の実績、調査結果ではありません。同じ月・同じ新規相談フォームについて確認したと仮定しています。

表には個人を識別する情報を載せず、集計だけを記載しています。自社で使う際は、表題に対象月・フォーム名・集計時点を書き添えます。画面が狭い場合は、表を横にスクロールできます。

問い合わせ数の月次照合表(説明用の仮例)
数えるもの 仮の数値 読み方・次の確認
GA4のform_submit
イベント数
24回 送信イベントの回数。リードの人数ではない
フォームの受付記録 20通 24回とは単位が違う。「4件の受付漏れ」とせず、計測と受付を照合する
新規相談の対象外 10通 テスト2通+売り込み5通+同じ相談の再送3通。重なりなく区分
内容を確認する相談 10件 20通から対象外10通を除外。残る各1通が別の相談であると確認した仮定
うち、適合を確認 4件 提供範囲に合う相談として確認済み
うち、不適合を確認 2件 提供範囲外など、判断の理由が分かっている
うち、確認待ち 4件 依頼内容などを確認中。不適合に含めない

この表なら、「適合した相談は4件。ただし10件のうち4件は確認待ち」と報告できます。現時点で適合を確認できた割合は4/10=40%。確認待ちがすべて適合すれば8/10=80%になります。これは統計的な信頼区間でも、今後の予測でもありません。未確認の4件によって結論がどれだけ変わるかを示したものです。

10件をGA4の24回で割って「問い合わせの質」と呼ぶことは避けます。別の仕組みで数えたイベント回数と相談件数を混ぜているからです。また、適合を確認した4件が、どの流入経路や記事に由来するかは、この表だけでは分かりません。

報告の最後は、「適合4件、確認待ち4件。確認待ちは営業担当が次回の報告までに判断。計測24回と受付20通の不一致は計測担当が調査中」と短く添えます。担当名と確認期限は自社の体制に合わせて具体化します。分からない数字を消すより、誰が何を調べるかが残る報告です。

タグの修正と、集客の修正を混ぜない

計測と受付の差を調べる仕事と、相談の適合を高める仕事は、分けて進めます。前者の差が解けても、後者が自動的に良くなるわけではありません。

仮例の24回と20通という違いを手がかりにするなら、計測担当者には、対象外フォームを含んでいないか、送信1回でイベントが複数回出ていないか、エラーで受付に至らない操作を拾っていないかを調べてもらいます。受付側も、通知先やフィルタなど、集計から外れた記録がないかを見ます。回と通は単位が違うため、引き算した4を不足件数とは呼べません。いずれも検査候補であり、数の違いだけで原因を断定しない、という扱いです。

本番フォームでのテストは、営業への通知や顧客管理への登録を伴います。担当者と実施範囲・テストの識別方法を決めてから行い、その送信を当月の新規相談へ混ぜないようにします。照合のためであっても、氏名・メールアドレス・相談本文をGA4へ送る必要はありません。個人情報を収集しない注意は、Googleの拡張計測の説明にも明記されています。

営業とマーケティングが見るのは、相談内容の方です。不適合の理由が「扱っていない仕事の依頼」なら、広告やサービス説明が何を約束していたかを読み直す。確認待ちが多いなら、集客を止める前に、その連絡へ回答できているかを確かめる。件数が少ない月には、率だけで良否を決めず、一件ずつの内容を確かめる意味があります。

問い合わせより前の認知や検討も含めて指標を組み直す場合は、ブランディングの効果測定で、KPIを選ぶ前に決めることも判断の整理に使えます。

数字を合わせることを月次報告のゴールにしない。受け取った相談のうち、何が仕事につながりそうで、どこがまだ分からないのか。そこまで確認して初めて、次に直す広告や説明を選べます。自社の成果指標と営業への引き継ぎを整理したい場合は、今の集計方法からご相談ください

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