【ホモ・ルーデンス】遊びは、人間にとってどんな意味があるのか?
「心理学」「脳科学」関連の書籍を読んで、blogle編集部が感じた事をお伝えしていくコーナーです。
今回は、「遊びは、人間にとってどんな意味があるのか?」というテーマでお話したいと思います。
このテーマは、【『ホモ・ルーデンス 遊びと文化の起源』著者:ヨハン・ホイジンガ】に書かれている内容からインスピレーションを受けました。
今回お伝えしたい結論を先に言ってしまうと、
「遊びは、人が挑戦し変革を遂げる上でとても重要な要素である」
という事です。
本著にて主に紹介されている遊びの内容は以下の3つです。
- 遊びの定義:遊びは、自由で自発的な行為であり、決まった時間や場所や規則があり、目的や利益から離れて行われるものである。
- 遊びの種類:遊びは、競争や模倣や表現など、様々な形態をとる。また、遊びは、言語や芸術や宗教や法律など、文化や社会の多くの側面に影響を与える。
- 遊びの進化:遊びは、人間だけでなく、動物にも見られる現象である。しかし、人間は、遊びを創造的に発展させて、文明を築いてきた。そのため、人間は「遊ぶ動物」(ホモ・ルーデンス)と呼ばれる。
遊びの定義については、何となく理解できると思いますが、実際に自分がどんな遊びをしているか考えてみると、意外に難しいかもしれません。
例えば、「読書」は遊びと言えるでしょうか。
「読書」は自由で自発的な行為であり、決まった時間や場所や規則があってもなくても良くて、目的や利益から離れて行われることが多いですよね。
答えは、「読書」は遊びでもあり、仕事でもあり得るということです。
つまり、「読書」の意味や価値は、読む人の心理状態や目的意識によって変わります。
読書を楽しみや発見や感動のために行うならば、「読書」は遊びです。読書を勉強や仕事や義務のために行うならば、「読書」は仕事です。
ホイジンガは、遊びの種類について以下のように分類しています。
- 競争遊び:勝敗や優劣を決めるために行われる遊び。スポーツやゲームなどが該当する。
- 模倣遊び:他者や自然や物事を真似るために行われる遊び。子どものままごとやコスプレなどが該当する。
- 表現遊び:自分の感情や思考や価値観を表現するために行われる遊び。芸術や文学や音楽などが該当する。
これらの遊びは、それぞれ、「働くこと」にも応用できます。
「遊ぶこと」は、「働くこと」と対立するものではなく、「働くこと」と補完するものだということです。
私たちは日常生活の中で、「仕事」と「遊び」を区別していますが、実は、「仕事」も「遊び」も同じように創造性や想像力や情熱を必要とするものです。
遊びの進化についても考えてみましょう。
ホイジンガは、人間は「遊ぶ動物」(ホモ・ルーデンス)であると主張しています。
「遊ぶこと」は、「学ぶこと」とも密接に関係しています。
子どもは、「遊ぶこと」を通じて、「世界」と「自分」と「他者」との関係性を学んでいきます。
大人も、「遊ぶこと」を通じて、「新しい知識や技能や感性」を身につけていきます。
そして、「遊ぶこと」は、「変化すること」ともつながっています。
私たちは、「遊ぶこと」を通じて、「自分の可能性や限界」に挑戦していきます。
つまり、人間は、遊ぶことで自分自身や社会や文化を変革してきたということです。
そう考えると、「遊ぶこと」は「働くこと」以上に人間の未来を切り開く上で必要な事なのかもしれません。