ナレッジ・ノウハウ 著者:blogle編集部

新機能のお知らせ、そのメールを読んだ人が設定できますか?

新機能のお知らせ、そのメールを読んだ人が設定できますか?

kintoneの2025年4月版アップデート情報を読むと、最初に出てくる実施日は4月13日です。ところが、新しいAI機能の説明には4月15日以降という別の日付があります。

これは日付の食い違いではありません。当時の案内は、定期メンテナンス後に順次提供すること、利用環境によって開始日が異なることを分けて説明しています。さらに、AI機能を有効にする設定はシステム管理者だけが行えると明記しています。

この最後の条件に注目したいと思います。新機能の告知を読む人と、設定できる人は同じとは限りません。法人向けサービスの案内を担当する方に向けて、受信者が社内へ渡せる説明を考えます。ここで見るのは2025年当時の告知設計で、現在の機能の操作案内ではありません。

提供開始と、顧客が使い始めるまでの準備を分ける

注目したいのは、新機能の魅力だけで説明が終わっていない点です。提供する側の更新が終わったこと、自社の環境で機能が提供されていること、必要な設定を行うこと。それぞれは別の条件です。「アップデートしました」の一文にまとめると、その間にある準備が見えなくなります。

自社の告知でも、まず開発・運用担当に確かめたいのはここです。全顧客が同時に使えるのか。設定は必要なのか。必要なら誰が行えるのか。コピーを書く担当者の推測で、この条件を埋めないようにします。

案内を受け取る人と、設定する人を分けて考える

たとえば、新機能の案内を受け取る営業企画の担当者と、サービスの管理権限を持つ情報システム担当者が別にいる会社を考えてみます。これは説明のための仮の場面で、kintoneの顧客事例ではありません。

営業企画の担当者は、機能に興味を持てても、その場では設定できません。情報システム担当者は、設定できても、営業のどの仕事で使いたいのかまでは分からないかもしれません。案内を転送するだけでは、この二人の間に確認が残ります。

そのため、顧客向けの説明では、最初に「どの仕事で使う機能か」を伝え、設定が必要な場合だけ、担当者と確認事項へつなぎます。詳しい設定手順は公式ガイドへ分ければ、すべての読者に管理者向けの説明を読ませずに済みます。

設定手順を短くすることと、設定できない人の次の一歩を用意することは、別の仕事です。どちらの説明が必要かは、顧客の利用体制によって変わります。

顧客が社内に渡せる一通を用意する

提供者として準備できるものの一つが、顧客の担当者から管理者へ渡す短い確認文です。次は、ある業務サービスに新しいレポート機能が追加されたという架空の例です。実在の製品仕様や配信文ではありません。

告知では機能の用途と対象条件を先に説明し、「ご自身で設定できない場合は、管理担当の方への相談に以下をご利用ください」と添える使い方を想定しています。全員に転送を求めるのではなく、必要な人だけが使う補助です。

件名:新しいレポート機能を試せるか、ご相談です

月次報告の準備で使えそうな機能の案内が届きました。まずは、現在の集計作業に合うか確認したいと考えています。

利用開始に管理者の設定が必要とのことです。当社の利用環境で対象になっているか、また、試用する前に社内で確認する事項があるか教えていただけますか。提供元の案内と設定ガイドを添付します。

まだ有効化をお願いする段階ではありません。確認先が別の方でしたら、相談先をご案内いただけると助かります。

この文面で渡したいのは、「新機能が出た」という情報だけではありません。使いたい仕事と、いま確認してほしいことです。管理者に、転送された長い告知から依頼の意味を読み取ってもらう負担を減らす意図があります。効果を測定した文例ではありません。

もちろん、提供者が顧客社内の承認手順を決めるわけではありません。設定によって誰に影響するのか、戻せるのか、どの情報を扱うのかといった製品側の事実は、提供元が説明する必要があります。その事実を踏まえて利用するかを判断するのは顧客です。

上の例を案内に添える場合も、実際に管理者設定が必要か、参照できるガイドがあるかを確かめてから使います。担当者自身ですぐ試せる機能なら、社内確認を増やす文面にする必要はありません。

反応がないとき、送信回数を増やす前に

案内の後に利用が始まらなくても、それだけで伝え方が悪かったとは言えません。今は使う仕事がないのかもしれませんし、担当者が繁忙期にいるのかもしれません。設定担当への相談が残っている可能性もあります。

顧客と話せる機会があるなら、「新機能をご覧になりましたか」に加えて、「使いたい場面はありそうですか。試すまでに確認が必要なことはありますか」と聞く余地があります。利用意向と、着手までの条件を分けて聞くためです。返答がなければ理由は分かりません。

使う予定がない顧客へ管理者確認を促しても、手間を増やしてしまいます。反対に、使いたいのに設定担当が分からないなら、機能紹介のメールをもう一度送るだけでは進みにくい。そこで必要なのは、新しい魅力の説明ではなく、相談に使える情報です。

次のお知らせを出す前に、宛先にいる一人が、そのメールを読んだ後にどこまで動けるかを考えてみてください。自分で試せるなら試し方を。別の担当者の確認が必要なら、誰へ何を渡すかを。顧客の会社の中でも説明がつながるところまでが、案内を設計する仕事です。

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