インタビュー

ご挨拶

マーケティングと心理学の力で、主体的な人を創造する企業へ

blogleの井村です。ブログをご覧くださりありがとうございます。
今回は私がblogleを営むに至った経緯や、経営する上で大切にしたい事について少し紹介させていただきます。

原点は絵を描くことから

そもそもの原点は恐らく「絵を描くことが好き。」という事から、広告関係の仕事にたどり着いたのだと思います。

幼い頃の私は、暇さえあればずっと絵を描いているような子供でした。
大人に近づくにつれて、絵を描く事からデザインやアートに関心が広がり、デザイナーを目指しました。
運よく広告会社へ就職してデザイナーになり、仕事に取り組む中で、デザインは「必要なものを必要な人へ届ける」ためのマーケティング活動の一つの要素である事を実感し、関心が「マーケティング」や「デザインを通じてのユーザー体験」に移り、今に至っているように思います。

井村が学生時代に描いたイラスト作品。なぜサイケデリックカラーのサラリーマン(画像中央)を描いたかは本人も覚えていない。

苦い経験から学んだ「人を知ること」の大切さ

もう一つの関心ごととして、心理学があります。
心理学に興味を持ったのは、ある苦い経験がきっかけでした。

私がまだ20代の頃、広告会社からシューズメーカーへ転職し、社会人になって初めて部下を持ったときの事です。
前職が超体育会系な職場だった事もあり、仕事への妥協や言い訳は一切許されず、ミスがあった場合は徹底的に追求・叱責される厳しい環境で育てられました。
そして、その当時の部下にも自分が育てられた時と同じ態度で接していました。

それから数ヶ月後、部下が帯状疱疹にかかり、その原因は「井村からの日々の叱責が苦痛、やらされ仕事によるストレスのせいだ」と上司へ訴えたのです。
最初は「正しい事を指導してあげているのに、何をおかしな事を言っているんだろう?」くらいの感覚でしたが、他の部下たちも「確かにやり過ぎていた」と四面楚歌となり、ついにはその部下から当時の社長に「井村をクビにしろ」と直談判されました。
当時の上司が何とか事態を納めてくれましたが、この事件によって左遷や、場合によっては解雇されてもおかしくなかったと思います。

この経験から、相手の立場や価値観にも理解を示そうとする事の大切さと、相手の自尊心を傷つけたり勇気を挫かない事の大切さを痛感しました。
そして、マーケティングにしてもマネジメントにしても「まずは人を知ること」が極めて重要であると考え、心理学を学びはじめました。
学ぶほどにマーケティングと心理学は通じる部分がとても多いことに気付かされ、更に関心が高まっています。

本棚には心理学関連の本が並ぶ。その中でも一番の愛読書は「女の人を怒らせない技術(ダイヤモンド社)」と本人は熱く語る。

日本に広がる「勇気欠乏社会」という危機

少し大げさに聞こえるかもしれませんが、視野を広げてみると日本社会そのものにも、心理学の力がより求められている課題があるように感じています。

米国の大手調査会社ギャラップ社が2022年に世界1,300万人を対象に行ったエンゲージメント調査によれば、日本で「熱意あふれる社員」の割合はわずか5%。129カ国中128位という結果でした。

この数字は、日本の職場において“熱意”や“主体性”が著しく欠けている現実を浮き彫りにしています。
その背景には、自己肯定感の低さ、そしてそれを育む「encouragement(勇気づけ)」が十分に行われていないという、構造的な課題があると考えています。

「encouragement(勇気づけ)」とは、フロイトやユングと並ぶ心理学の三大巨頭と言われるオーストリアの精神科医アルフレッド・アドラーが提唱した個人心理学に基づく概念です。

相手の存在や努力、可能性を肯定的に捉え、その人が自ら行動する“勇気”を持てるよう支援する関わり方を指します。
叱責や指導よりも、「あなたならできる」「あなたには価値がある」といった言葉や態度によって、自己肯定感や内発的動機づけを高めるアプローチです。

私自身の過去の経験からも、“良かれと思って”の言動が、知らず知らずのうちに相手から勇気を奪い、自発性ややる気を失わせてしまうことがあると痛感しています。

こうした「勇気を削ぐコミュニケーション」が無意識のうちに繰り返され、職場や教育現場、さらには社会全体に連鎖しているのではないか──。
私たちblogleは、このような状態を「勇気欠乏社会」と捉え、心理学の視点から「encouragement(勇気づけ)」の実践を通じて、主体性を育む土壌を広げていく必要性を強く感じています。

マーケティングを超えて、関わるすべての人に前向きな変化を

blogleは、「勇気欠乏社会」に対して、

「コミュニケーションを通じて、関わる人々へ勇気づけ(encouragement)を行う」

というミッションを掲げています。
そして、

「勇気づけを通じて、主体性のある人を増やすことに貢献する企業を目指す」

というビジョンのもと、活動を続けています。

私たちは、マーケティング支援にとどまらず、ユーザーの心理に寄り添う考察や、パートナーとの関係構築にも、顧問である心理学博士・関屋氏の指導のもと、心理学の視点を取り入れています。
マーケティングの成果を追求することはもちろん、blogleと関わるすべての方が、少しでも前向きに、そして主体的に歩み出せるような企業でありたいと考えています。

株式会社ブログル
代表取締役社長

井 村 学

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