【Case3:Divano Wine Store】マケシリ〜マーケティング事例に隠された心理効果を知ろう〜

マケシリでは、最近ちょっと気になったマーケティング事例を独断と偏見でピックアップ!
弊社顧問で心理学博士の関屋 裕希さんになぜ気になっちゃうのかを心理学の観点から紐解いていただきます。

第3回目は、ワインのセレクトショップ「Divano Wine Store(ディヴァーノ・ワインストア)」を深掘り!


みなさんは好みのワインの味はありますか?
ワインは少しハードルを感じるお酒のひとつではないかと思います。

ワインの知識がないと、お店に入りにくかったり、店員さんに話しかけられたらどうしようなどと不安に思うこともありますよね。そんなワインの知識がなくても、ジャケットが気に入っただけで買える、いわゆる「ジャケ買い」を楽しめるワインのオンラインショップ「Divano Wine Store(ディヴァーノ・ワインストア)」について本日は関屋さんにお伺いしました!

関屋 裕希 Yuki Sekiya
1985年1月31日生まれ/福岡県福岡市出身
せきや・ゆき/臨床心理士。公認心理師。博士(心理学)。東京大学大学院医学系研究科 デジタルメンタルヘルス講座 特任研究員。専門は職場のメンタルヘルス。業種や企業規模を問わず、メンタルヘルス対策・制度の設計、組織開発・組織活性化ワークショップ、経営層、管理職、従業員、それぞれの層に向けたメンタルヘルスに関する講演を行う。近年は、心理学の知見を活かして理念浸透や組織変革のためのインナー・コミュニケーションデザインや制度設計にも携わる。著書に『感情の問題地図』(技術評論社)など。
ホームページ:https://www.sekiyayuki.com

本日はワインのオンラインショップ「Divano Wine Store(ディヴァーノ・ワインストア)」についてお伺いしていこうと思いますが、ご覧になってどのような印象を受けましたか?!

ーワインは「詳しくないコンプレックス」を感じやすい商品だと思います。
なので、こうして最初からハードルを下げてもらえると、グッと手に取りやすくなりますよね!

はい!私もお店で買おうとして、うまく好みを説明できなかった経験があるので、こうした買い方ができるのはすごく嬉しいです、、!

ー目で選ぶことは知識がなくても、誰でもできる選び方なので気が楽ですよね。

はい、どういった方がターゲットに当たりますかね?

ー少し広めですが、超〜詳しい限られた人以外、ターゲットに該当すると思います。
ワインは、ぶどうの品種、生産地、作られる過程にも細かい条件がたくさんあって、その全てを知ることはプロでも難しいほどに沼のような世界です。そんな世界においては、一握りの知識人を除いてはほとんどの方がどんな味だろう?と探り探りワインを楽しんでいるという土俵は変わらないと思うんです。そう言う意味で、超〜詳しい限られた人以外、ターゲットに当たると言えるのではないかと思いました。

確かに、何を持って”ワインを知っている”と言える状態になるのかというと難しいですよね。

ー知識があってもなくても横並びでワインを選択できると言うのは全ての人にとって良いことのように思いました。詳しいことが正しいわけではないですから、こうして詳しくないことを肯定してくれる商品の売り方はワイン以外にも使えそうですよね。

例えばどんなものがありますかね?

コーヒーは少し似ているかも知れませんね。
日常には馴染んでいるけれども、豆の焙煎、挽き方、ちょっとした淹れ方の違いで大きく味が変化したり、楽しみ方や知識は沼のように広がっています。そういった知識を持つことも勿論大切ですが、それぞれの好きな楽しみ方で楽しめることが1番ですよね。

そうですね、私は最近レコードやスパイスカレーの世界に少し尻込みしてしまっていましたが、思い切って”好き”という直感で何か選んでみようと思いました!

ー良いですね!そうした直感を信じた買い物って、店員や他の誰かに勧められて買った買い物より、買った後の満足度も高くなると思います。
例えば、味はあまりわからないけどパッケージがすごく気に入っているワインと店員から味の説明は受けて、人からただ勧められるがままに買ったワインの2択だった場合、「自分が好きで選んだ」という購買体験のある前者の方が楽しんで飲める気がしませんか?

私は断然前者です!飲み終わった後もお部屋に飾ったり、楽しみ方が広がりますし、もしも味にも満足できたらリピートにつながりますしね!

関屋さん、本日もありがとうございました!

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