書籍紹介

【サイコロジー・オブ・マネー】お金で失敗する本当の理由

「心理学」「脳科学」関連の書籍を読んで、blogle編集部が感じたことをお伝えしていくコーナーです。

今回は、「なぜ、お金の判断で人は同じ失敗を繰り返してしまうのか?」というテーマでお話したいと思います。

このテーマは、【サイコロジー・オブ・マネー 著者:モーガン・ハウセル】に書かれている内容からインスピレーションを受けました。

今回お伝えしたい結論を先に言ってしまうと

「お金で失敗する理由は、知識や才能の差ではない」

「感情や行動のクセを理解せずに判断してしまうことが、最大の原因になる」

ということです。

私たちは、お金の話になると

「正しい知識があればうまくいく」

「賢い人ほど失敗しない」

と思いがちです。

しかし、サイコロジー・オブ・マネー が繰り返し示しているのは、

お金の結果を左右するのは、知識の量ではなく“人間らしい感情と行動”だという事実です。

恐怖で動いてしまう。

欲張ってしまう。

周りと比べて焦ってしまう。

こうした感情は、誰にでも起こります。

そしてその感情が、どれだけ正しい知識を持っていても、

判断を簡単に歪めてしまうのです。

だから本書は、

「どう稼ぐか」「どう増やすか」を教える本ではありません。

お金とどう向き合い、どんな判断を続けていくかを問い直す一冊です。

お金の成功は、知識より“行動”で決まる

お金で失敗したとき、多くの人はこう考えます。

「知識が足りなかった」「もっと勉強していれば違う結果だったはずだ」と。

けれど、サイコロジー・オブ・マネーが示すのは、まったく別の視点です。

お金の結果を分けるのは、知識量ではなく、どんな行動をどれだけ長く続けられるかだというのです。

実際、金融知識が豊富でも、感情に振り回されて失敗する人は少なくありません。

逆に、専門的な理論を知らなくても、堅実な行動を続けて結果を出している人もいます。

この差を生むのは、「正解を知っているか」ではなく、

恐怖や欲にどう向き合い、同じ判断を繰り返せるかという行動の質です。

たとえば、相場が大きく下がったとき。

知識としては「慌てて売らない方がいい」と分かっていても、

恐怖に負けて判断を変えてしまうことがあります。

また、周囲が成功しているように見えると、

冷静さを失い、無理なリスクを取ってしまうこともあります。

こうした行動は、頭の良し悪しとは関係ありません。

人間なら誰でも感じる感情が、判断を上書きしてしまうのです。

だからこそ本書は、「もっと賢くなろう」とは言いません。

代わりに、「感情に左右されにくい行動を設計しよう」と促します。

派手な成功を狙わない。

続けられない計画を立てない。

自分が不安にならない範囲で行動する。

こうした一見地味な選択こそが、

長い時間をかけて、お金の結果を大きく左右していきます。

人がお金で非合理な判断をしてしまう理由

お金の判断は、冷静な計算だけで行われているように見えます。

しかし実際には、感情が判断を先回りしている場面がほとんどです。

サイコロジー・オブ・マネーでは、

人がお金で判断を誤る理由として、主に次の3つが挙げられています。

恐怖に引きずられてしまう

相場が下がると、多くの人は強い不安を感じます。

頭では「長期で考えるべき」と分かっていても、

恐怖が高まると、その判断を維持できなくなります。

結果として、

一番冷静でいるべきタイミングで行動を変えてしまう。

これは知識の問題ではなく、感情の問題です。

欲が判断を鈍らせる

うまくいっているときほど、

「もっと増やしたい」という気持ちが強くなります。

その結果、リスクが見えにくくなり、

無理な判断を正当化してしまうことがあります。

他人との比較が基準を奪う

お金の話では、

「周りはもっと稼いでいる」

「自分だけ遅れている気がする」

と感じやすくなります。

この比較意識は、

自分に合った判断基準を崩し、

他人基準の選択を生み出します。

これらはすべて、

人間として自然な感情です。

だからこそ重要なのは、

「感情に左右されない自分になる」ことではなく、

感情に左右される前提で判断すること。

それが、お金で同じ失敗を繰り返さないための土台になります。

長期でうまくいく人が大切にしている考え方

お金で長くうまくいっている人は、

特別に優れた知識や鋭い予測力を持っているわけではありません。

彼らが大切にしているのは、

「正しい判断を当て続けること」ではなく、「判断を大きく崩さずに続けること」です。

どれだけ合理的に見える方法でも、

不安で眠れなくなったり、恐怖で途中でやめてしまえば意味がありません。

だからこそ、長期で結果を出している人ほど、

自分が無理なく続けられる行動を選びます。

また、短期的な成果に一喜一憂せず、

時間を味方につけることを重視します。

一度の成功より、小さな積み重ねを長く続けること。

それが結果的に、大きな差を生みます。

リスクを完全に避けようとしないのも特徴です。

重要なのは、リスクを取らないことではなく、

恐怖で判断を変えなくて済む範囲に抑えること。

お金でうまくいく人は、

賢い選択をしているというより、

感情に振り回されない選択を続けている人なのです。

お金とうまく付き合うために必要な“心の余裕”

お金の問題は、金額の大小だけで決まるものではありません。

むしろ大きく影響するのは、

「どれだけコントロールできていると感じられるか」です。

十分な心の余裕がない状態では、

人は冷静な判断を保てません。

少しの下落で不安になり、

少しの成功で欲張ってしまう。

そうした感情の揺れが、判断を大きく歪めます。

だからこそ本書は、

「もっと稼ぐこと」よりも、

「不安に振り回されない状態をつくること」の重要性を説いています。

生活を脅かさない範囲で行動すること。

最悪の状況を想定しても、耐えられる選択をすること。

それだけで、判断は驚くほど安定します。

お金とうまく付き合うとは、

完璧な選択をすることではありません。

感情が大きく揺れない距離感を保つこと。

『サイコロジー・オブ・マネー』は、

そのための考え方を、静かに教えてくれる一冊です。

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