上條先生に聞きたい! Branding Talk-入門編- Vol.3
Vol.3 基本を知る ~ブランディングのきっかけ~
上條先生に聞きたい! Branding Talk-入門編-では、弊社顧問である上條憲二先生に、ブランディングにまつわる知識や事例をお話しいただきます。
Vol.3では企業がどんなタイミングでブランディングを始めるのか、どのようにブランディングを進めるのかを事例を交えてご紹介いたします。
【上條先生について】
長野県松本市出身
株式会社ブログル 顧問
日本ブランド経営学会 会長 / 日本マーケティング学会 評議員
早稲田大学文学部社会学専攻卒業。第一広告社(現I&SBBDO)入社。
以来、マーケティングプランナー、SPプランナー、アカウントエグゼクティブとして様々な企業の広告コミュニケーション戦略の立案、ディレクションを担当。広告主は、航空会社、日本車、輸入車、トイレタリー、人材派遣会社、製薬会社、百貨店、ファーストフードなど多岐にわたる。後に、同社の執行役員として営業全般の統括的な役割および同社のマーケティング部門の責任者を兼任。
2004年から10年にわたりインターブランド(ブランド価値評価で有名な世界一のブランドコンサルティングファーム)のエグゼクティブディレクターとして企業のブランド戦略を推進。クライアントとしては、住宅、住宅機器、航空、輸入車、国産車、旅行、ケーブルテレビ、テレビ局、鉄道、高速道路、大学、建設、玩具、医療、スポーツ用品、などこれも多岐にわたる。
ブランディングに関する代表著書に「超実践! ブランドマネジメント入門 愛される会社・サービスをつくる10のステップ(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」等。
blogleの企業理念である「コミュニケーションを通じて、関わる人々へ 勇気づけ(encouragement) を行う」為に必要な活動として、世界一のブランドコンサルティングファームで培った知見を活かしたブランディングメソッド構築の指南を行なっている。
ブランディングを進めるにあたって、よくある、企業の悩みとして
■「何とかしたい」という社内の有志が集まって、勉強会を始めたが
どう進めたらいいか分らない。
■経営者からトップダウン的にブランド戦略の担当者に任命されたが
どう進めていいか分らない。
■同業他社のブランドが存在感を増しているので何とかしたい。
■他業者だが、ブランディングの成功事例を知って、自分たちも何
とかしたいと思った。
というものがあります。
同じような悩みをもつ企業も多いかと思います。
そのような皆さまにブランディングを始めるきっかけについて事例とともにお話しします。
<ブランディングのきっかけ>
■周年のタイミング
・創業60周年、50年、100周年などのタイミング
・社内外に発表しやすい
・大義名分が立てやすい
■会社、施設などの移転
■M&A(企業の合併、統合)など
■企業実態とイメージのギャップが大きくなったとき
■創業者などが引退、新経営陣のスタート
■画期的な新製品、新サービスなどの開発予定がある
など大義名分があると始めやすいです。
以下のようにブランド体系には型が存在し、目指すべきイメージに合わせ選択していきます。
ブランドの考え方に現状と未来のあるべき姿をあてはめ方向性を決めていきます。
その後グループ理念体系の整理を行っていきます。
<X社の事例>
X社がブランディングを見直すきっかけとなった始まりは危機感からでした。
X社はこれまでバラバラだったX社グループを
◼今後、業界の高い成長性が見込めない中、グループビジョンの実現を完遂するには、自社ブランドを、1事業の枠を超えた、よりカバー範囲の広いブランドに再構築することが必要である
◼ グループブランド体系の再構築は、グループビジョンの達成のために早急に取り組むべき経営課題である
と考え、総合的にサービスを展開するグループブランドを目指しました。
これまで根幹となる1事業とそのグループブランドだったものをすべてのグループブランドを終結しあるべき姿としブランディングを進めました。
X社は見事、グループブランドをマスターブランド化し、一連のブランディングにより、社内の見つめる先が重なり各種マーケティング施策もブランド価値を高める施策につながっていきました。
ブランディングを始めるきっかけは企業、経営者によってさまざまだと思います。
見直しや新しい企業の在り方を見つけるには大きなターニングポイントとなるでしょう。
Vol.4につづく。