◯◯さんと話したい!マーケティングよもやま話〜心理学博士 関屋 裕希さん 編〜

◯◯さんと話したい!マーケティングよもやま話では、ゲストを招きマーケティングにまつわる話題についてお話しさせていただくコーナーです。テーマは、その時話題のトピックスを中心にこれから話題になりそうなものなど、ジャンルは問わず展開していく予定です。

初回は心理学博士の関屋 裕希さんをお迎えして、お話しして参ります!
本日のテーマはズバリ、”流行”についてご一緒に考えていきたいと思います。

<流行のサイクル>

なぜ、この話題にしようかと思ったかというと、少し前から”Y2K”なんて言葉がよく聞かれるようになってから、”流行は20年周期で循環している”なんてことを耳にし、どうしてなんだろう?と興味が湧いて、ぜひこのテーマで関屋さんとお話ししてみたいと思いました。

ー20年周期というのは初めて聞きましたが、確かに最近は20年前のものやどこか懐かしさを感じられるものが、リバイバルされて人気を集めていることもよくある気がしますね。実証されているわけではありませんが、幼いころに親しんだテイストに好意を感じて、少しアレンジして楽しむという現象と言われています。

そうなんです、このように昭和レトロのブームが今来ているようで、記事にあるような食器もそうですし、純喫茶や町中華といった、歴史あるお店が一部の若者に人気があったり、とかつてのタピオカのような一大ブームとは言いませんが、小さなブームが起きています。

https://predge.jp/274306/

<流行の多様化>

その一大ブームではないブームという点が肝なような気がしています。
というのも、少し前まではブームの発信元というとテレビが大きな力を持っていましたが、今はスマホからの情報収集が主です。スマホではテレビのように、同じ時間に同じものをみんなが観ているというよりは好きな時に好きな情報を手に入れることができます。そのため、かつてのようなひとつの大きなブーム、というよりは一部の人たちの間で起きている小さなブームがたくさん発生しているように思います。

確かにそうですね、いつでもどこでも好きな時に情報収集ができるのでみんなが同じ方向を向いてブームを作っているという感覚は薄れてきているような気がしますね。テレビに関しては特に、いつでも観れることを良いことに、”後で観ればいいや”と言って、結局見忘れてしまうなんてこともすごく増えました。便利になっていくのは嬉しい一方、みんなで話せる共通言語の意識が低くなっていくのは少し寂しいような気もしますね。

ー私たち大人の世界でもそうですが、学校でも同じような現象が起きていて、クラスのみんなが知っている共通の話題が今はこれといって無いようです。私たちが学校に通っていた頃は、昨日観たテレビ、聴いている曲などある程度共通していて、盛り上がっていましたね。スラムダンクをチェックしていないと、クラスの話題についていくことができませんでしたよ、、笑 子供たちの間の流行も多様化が進んでいるのですかね…

流行のサイクルに関して、何か考えられる要因などありますかね?

ーそうですね、確証的な研究結果とは言えませんが、何事も20年ほど経つと、”逆に”新鮮に見えてくるというのはあると思います。

確かに、昔に流行ったものを知っていたり、持っていたりすると”逆に”通っぽい雰囲気が出たりすることも多いような気がしますね!

ーかつて、社会学者のジンメルが「流行が生まれるのはアイデンティティが発端となっている」と唱えたように、皆さんの自己表現や承認欲求が発端となって流行が生み出されるという現状はここ最近で色濃くなっているような気がしますね。自己表現の方法もさまざまで、最近のZ世代は、直接的に「環境大事!」とは言わず、このブランドのアイテムを使っている=「SDGsに関心がある」「環境を大事に考えている」という間接的な自己表現になっているようです。単純に自己表現の場も増えているし、“逆に”、”あえて”人と少し違うことを発信し、自己表現する人が増えることで流行も多様化しているのだと思います。

先程お話ししたように、かつてはみんなが知っている流行があったからこそ、Y2Kのような現象が共通の懐かしさや新鮮さとして感じることができましたが、これだけ流行が多様化している今から20年後の流行というのは、非常に読みにくいですね…

ーほんとですね、ちょっとカオスな感じがしますが、楽しみですね!笑

はい、とても興味深いご意見お伺いできました!本日もありがとうございました!

<関屋さんプロフィール>

関屋 裕希 Yuki Sekiya

1985年1月31日生まれ/福岡県福岡市出身

せきや・ゆき/臨床心理士。公認心理師。博士(心理学)。東京大学大学院医学系研究科 デジタルメンタルヘルス講座 特任研究員。専門は職場のメンタルヘルス。業種や企業規模を問わず、メンタルヘルス対策・制度の設計、組織開発・組織活性化ワークショップ、経営層、管理職、従業員、それぞれの層に向けたメンタルヘルスに関する講演を行う。近年は、心理学の知見を活かして理念浸透や組織変革のためのインナー・コミュニケーションデザインや制度設計にも携わる。著書に『感情の問題地図』(技術評論社)など。ホームページ:https://www.sekiyayuki.com


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