【Case10:推し活×バレンタインの場合】マケシリ〜マーケティング事例に隠された心理効果を知ろう〜

マケシリでは、最近ちょっと気になったマーケティング事例を独断と偏見でピックアップ!
弊社顧問で心理学博士の関屋 裕希さんになぜ気になっちゃうのかを心理学の観点から紐解いていただきます。

コロナ収束後もリモートワークやオフィス内のフリーアドレス化、オフィスの縮小が続いている昨今。バレンタインデーのあり方も変わってきました。義理チョコ文化などチョコを誰かにあげるということも少なくなってきた中、新しいバレンタインの確立を進めるため『推し活』をバレンタインにつなげた明治の事例です。

関屋 裕希 Yuki Sekiya
1985年1月31日生まれ/福岡県福岡市出身
せきや・ゆき/臨床心理士。公認心理師。博士(心理学)。東京大学大学院医学系研究科 デジタルメンタルヘルス講座 特任研究員。専門は職場のメンタルヘルス。業種や企業規模を問わず、メンタルヘルス対策・制度の設計、組織開発・組織活性化ワークショップ、経営層、管理職、従業員、それぞれの層に向けたメンタルヘルスに関する講演を行う。近年は、心理学の知見を活かして理念浸透や組織変革のためのインナー・コミュニケーションデザインや制度設計にも携わる。著書に『感情の問題地図』(技術評論社)など。
ホームページ:https://www.sekiyayuki.com

最近、「ヲタク」という言葉を聞かなくなってきましたがその変わり『推し活』という言葉が世の中のスタンダードとなってきました。今やヲタクじゃなくても何かしら推しがいる時代です。そもそも推し活とは、「推しを応援するオタク活動」を省略して「推し活」と呼んでいます。

イメージとしては、アイドルやキャラクターなどの推しを贔屓にして応援することだと思いますが、現代の推しは、アイドルやキャラクターだけでなく自分が好きで応援するものすべてが対象となります。

実は皆さんの趣味も広義に捉えると推し活になるかもしれません。

明治特設サイト内では、“二次元推し”、“自分推し”、“いつめん推し”のそれぞれが自由にバレンタインを楽しむ様子を動画で紹介、同社が現役の高校生・大学生とともに考えたバレンタインの楽しみ方を、「リアル推し篇」「有名人/二次元推し篇」「エクストリーム推し篇」に分類し、イラスト付きで紹介、家族、友達、恋人、お世話になった人、コンテンツ、体験など、それぞれの「推し」と絡めてチョコレートを楽しめるアイディアを提案していました。

明治がバレンタインと推し活をからめたのって、どんな意味があるんでしょうか?

ー明治はZ世代を中心に、バレンタインを「女性から男性にチョコを送るもの」から自分から「自分の好きな対象(ここでいう推し)に対して送るもの」だとバレンタインの再定義を行いました。再定義することで、多くの人に、バレンタインとの接点をつくる戦略ではないでしょうか。

そもそも現代において推し活ってどんな意義があるんでしょうか。
関屋さんは推し活ってどんなイメージですか?

若者の約75%がオタを自認する時代といわれているそうです。誰もがオタクとまではいかないですけど何かしらオタク体質を持っている時代ですよね。そのようなライト層を取りこむ意味でもオタ活から推し活に呼び方が変容してきたんだと思います。

確かにオタクっていわれると少し抵抗はありますけど、好きなものはあるよ、推しはいるよ、くらいなら言いやすいですよね。
実は私も、K-POPが好きで推し活しています(笑)

ー若者における推しの意義と心理的効果という論文があるんですが、推しには若者の二つの欲求を満たす効果があるらしく、1つ目は「今を楽しみたいという享楽欲求」、2つ目は「推し活することによって自分の価値を高める自己愛的な心理欲求」を充足する心理が関連すると考えられているようです。

推しがいることで自己愛的な心理欲求が満たされるのは推しがいる、好きなものがいることで今が充実している、生きがいがあるということにつながるんですかね?

-推しがいることが不安の解消やストレス解消につながるという研究もありますね。
まさにおっしゃるように推しがいて今を楽しめているという充実感による効果でしょうね。

最近では「推し事するためにお仕事を頑張っている」という人もいますもんね!

ー推し活が自分の存在意義の一つになっているのはいいことですよね。
ただ、推し活は対象はいるものの心理的なやじるしは自分に向いていると思います。
あくまで自分の享楽欲求や承認欲求を満たすものですね。

今回の明治の取り組みも、コロナによって廃れてきたバレンタインと推し活をつなげて広義に再定義することでバレンタインの地位を存続させることにつながったのではと思います。
3月はホワイトデーもありますが、推し活×ホワイトデーもあるかもしれませんね!

今後も推し活×○○はマーケティング目線でも広く使える素材になるかもしれません。
改めて推し活について深掘りすることができて良かったです!

関屋さん、本日もありがとうございました!

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